体の中で塩分を保持する組織に働きかける!管理人アンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)とは、ACE阻害薬のページでも説明していますが、レニン-アンジオテンシン系の働きに関係する降圧薬です。

1990年代から使用されるようになった新しい薬で、日本ではカルシウム拮抗薬の次に多く使用されている降圧薬の中心となる薬です。私達の体は、塩分(ナトリウム)がないと生きられません。その塩分(ナトリウム)が体から失われないようにする機構”レニンーアンギオテンシン”と言う仕組みがあります。

ARB拮抗薬の効果

血液の中にはタンパク質のアンギオテンシノーゲンいう物質があります。これは何の働きもしません。そこに、腎臓から分泌されたレニン酵素が ”アンジオテンシノーゲン” に働きかけるとアンジオテンシンⅠができます。このアンジオテンシンⅠにACE酵素が働きかけるとアンジオテンシンⅡになります。この仕組みが私たちの体内から塩分(ナトリウム)が失われないように働いています。

アンジオテンシンⅡは、塩分(ナトリウム)や水分の排出を防ぐ働きをします。しかし、血液量をふやし、心臓の収縮力を高めることで血圧を上昇させてしまいます。アンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、このアンジオテンシンⅡの働きを阻害し、血管を拡張させ、同時に水分や電解質を調整しながら血圧を下げる働きをします。アンギオテンシンII受容体拮抗薬は高血圧の治療に単独で使われることもありますが、カルシウム拮抗薬や利尿薬と併用して使われることもあります。

また、血圧を下げる働きのほかに、糖の代謝を改善したり、心臓や腎臓の負担を軽くする働きなども期待されるため、病状にもよりますが、心筋梗塞、心不全の治療や心肥大の抑制、腎不全の進行を遅らせたり、糖尿病性腎症やメタボリックシンドロームの患者さんなどにも使われています。

ARB拮抗薬の副作用

アンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、副作用なども少なく使いやすい薬です。他の薬で見られる、軽い動悸やめまい、発疹、ほてり、軽度の頭痛やACE阻害薬にみられた空咳の副作用も少なく安全で使いやすい薬だとされています。

副作用が少ないお薬なので長期維持療法に適していますが、しかし、ほかの降圧薬に比べてかなり割高で経済的な薬とは言えないかもしれません。また、ACE阻害薬と同様、妊娠する可能性がある女性や妊娠中、授乳中の女性の方には使用できません。




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高血圧の薬の種類

カルシウム拮抗薬
カルシウム拮抗薬とは、動脈の血管にある平滑筋にカルシウムイオンが流れこまないように、通り道を塞ぐことで血管を拡張させ血圧を下げる働きをする薬です。またカルシウム拮抗薬は、血圧を下げるだけではなく血流の流れも良くすることで、狭心症や心筋梗塞などの疾患の予防にも効果があります。カルシウム拮抗薬の効果と副作用について解説します。
ACE阻害薬
ACE阻害薬とは、血圧を上昇してしまうアンジオテンシンⅡを作るACEという酵素の働きを阻止する薬です。アンジオテンシンⅡという物質は、血管を収縮させたり腎臓でのナトリウムや水分の排出を抑えて血液量を増やす作用があるため血圧を高くしてしまうのです。ACE阻害薬の効果や副作用について解説します。
ARB拮抗薬
ARB拮抗薬とは、アンジオテンシンⅡの働きを阻害し、血管を拡張させ、同時に水分や電解質を調整しながら血圧を下げる働きをします。ARB拮抗薬は高血圧の治療に単独で使われることもありますが、カルシウム拮抗薬や利尿薬と併用して使われることもあります。ARB拮抗薬の効果や副作用について解説します。
α遮断薬
α遮断薬とは、自律神経に働きかけ血圧を下げる薬です。交感神経に刺激が加わるとα受容体でその信号を受け取り、それによって心臓が活発に働き、血管が収縮して血圧が上がります。血管収縮の働きに関わるα1受容体の動きを遮断して血圧を下げるα遮断薬の効果と副作用について解説します。
β遮断薬
β遮断薬とは、交感神経の活動を抑制して血圧を低下させます。自分の意思とは関係なく心臓がドキドキしたり、動悸がしたりするときがあります。このとき交感神経の働きが活発になり血圧が上昇していますが、この交感神経の働きを抑制して血圧を下げるβ遮断薬の効果と副作用について解説します。
利尿薬
利尿薬とは、腎臓に働きかけナトリウムの排泄を促します。血中の余分な水分が減り、血液の量が減るので血圧が下がります。また、利尿薬と他の降圧薬を一緒に使うことで降圧効果が増強されるのです。利尿薬には作用する尿細管の部位により3種類に分けられ、それぞれの効果と副作用について解説します。